糖質制限とは?基礎知識やメリットデメリット、継続のポイントを解説

糖質制限の基礎知識
  • 糖質制限をすれば本当に痩せられるの?
  • 糖質制限のメリットデメリットは?
  • 糖質制限の方法を具体的に知りたい

糖質の摂取を控える「糖質制限ダイエット」は、ダイエット方法として男女ともによく耳にすることがあるのではないでしょうか。

糖質制限について気になっていても、実際にどういう仕組みで痩せるのか、どうやって始めたら良いのか気になる方も多いでしょう。

この記事では、糖質制限ダイエットの基礎知識を簡単にまとめました。

糖質制限のメリットやデメリット、継続の上で心がけておくべきポイントも紹介しますので、糖質制限について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

糖質制限とは

糖質制限とは

糖質制限とは、食べ物から摂取する糖質量を制限する食事法のことです。

もともとは、糖尿病の方への食事療法として利用されてきた食事法でしたが、その手軽さや効果により、現在ではダイエットや、アスリートの肉体維持にも幅広く活用されています。

食べ物の中から糖質を減らすというシンプルなダイエット方法であるため、誰にでも挑戦しやすいメリットがあります。

まずは、糖質制限でダイエットが可能となるメカニズムについて簡単に解説します。

そもそも糖質とはどんな物質?

糖質とは、エネルギーを作り出す栄養素のひとつです。

体や脳を動かしたり、身体を作ったり修復したりすることにも利用されます。

厳密には、でんぷんやオリゴ糖など多糖類、ブドウ糖や果糖など単糖類、乳糖などの二糖類を総称し糖質と呼んでいます。

糖質を摂取すると、消化管において消化・吸収され、血液に乗って全身に運ばれ、エネルギーとして利用されます。

体内で利用するのに必要以上に糖質を摂りすぎると、余分なブドウ糖が脂肪に変わり、体脂肪として蓄えられます。

一般的に甘いものや主食類に糖質は多く含まれていますが、それ以外の野菜類やタンパク源にも、糖質は含まれています。

糖質制限の効果とは?

炭水化物や甘いものに含まれる糖質を摂取すると、血液中の糖質の量が増えるため、血糖値が上昇します。

血糖値が上昇すると「インスリン」が膵臓から分泌されます。

インスリンとは、食後に上昇した血糖値を下げ、中性脂肪として体内に蓄えるはたらきを持つホルモンの一種です。

糖質制限により糖質の摂取量が少なくなると、血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの分泌量が減ります。

その結果として、脂肪が貯まりにくく、燃焼しやすい体質に変わり、肥満や生活習慣病の予防や改善につながるのです。

どのくらい糖質を減らすかは目的に応じて決める

糖質制限において、どの程度糖質の量を減らすかは、目的により異なります。

糖質を厳格に制限し、体内からブドウ糖をなくし、代わりに蓄えていた脂肪からエネルギーを作り出す厳しい糖質制限においては、1日の総糖質量は60g以下にすることが必要と言われています。

脂肪を作り出さないようにするだけでなく、脂肪を燃焼することによりより短期間でダイエットが可能です。

一方、ゆるやかな糖質制限は「ロカボ」と呼ばれ、厳しい糖質制限をせずに「おいしく楽しく適正」を目指します。

ロカボには、減量、生活習慣病の予防や改善、美容やアンチエイジングなど多くの効果が期待されています。

あくまでブドウ糖をエネルギーとしたうえで適正量に減らし、糖質以外のたんぱく質や脂質、食物繊維をしっかりと摂取することにより、血糖値の上昇を抑えます。

ゆるやかな糖質制限においては、1日の糖質量を130g程度に抑えることが目安です。

糖質制限のメリット

糖質制限のメリット

糖質制限にてダイエットを行ううえでのメリットについて紹介します。

糖質制限には次の3つのメリットがあります。

  • 脂肪がつきにくくなる
  • 効果が早く出現する
  • 空腹に耐えなくて良い

一つずつ具体的に解説します。

脂肪がつきにくくなる

糖質制限により摂取する糖質を抑えることで、脂肪を燃焼しやすい体に変えることができます

血糖値が上がりにくくなり、体内に脂肪をたくわるインスリンというホルモンの分泌量が減少するためです。

インスリンが減少すると、食事から体内の脂肪に変換する量が少なくなるため脂肪がつきにくくなります。

さらに、糖質の摂取量が減ると、体は糖質の代わりにたんぱく質や脂質、つまり糖質以外の栄養素からエネルギーを作り出します。

脂肪を燃焼しエネルギーに変えてくれる働きを促進します。

効果が早く出現する

糖質を控えることにより、体内蓄えられていた糖質が徐々に減少します。

糖質は、水分と結びついて体内に貯蔵されているため、糖質が減ると体内の水分量も減っていきます。

糖質制限を始めたばかりの頃は、体内の水分量も減少するため体重の減少が特に大きく実感できます。

同じ理由により、体の見た目の変化も実感できます。

全身のむくみが取れてスッキリした感覚を味わえるため、ダイエットのモチベーションも維持しやすくなります。

空腹に耐えなくて良い

糖質制限では、糖質が多く含まれる食品以外は減らす必要がありません。

逆に、栄養バランスを崩さないように栄養のある食材をバランスよく摂取し、エネルギーや栄養素が不足しないように心がける必要があります。

食事の量を極端に減らすダイエットとは異なり、空腹に耐える必要がないのも糖質制限ダイエットの人気の理由のひとつです。

糖質制限のデメリット

糖質制限のデメリット

糖質制限には、デメリットもあります。

糖質制限でダイエットをするうえでのデメリットを紹介します。

  • 体調に影響が出やすい
  • 基礎代謝が落ちるリスクがある
  • リバウンドしやすい

それぞれ解説していきます。

体調に影響が出やすい

糖質制限を糖質制限をおこなうことにより、体調不良を引き起こす可能性があります。

原因のひとつとして、低血糖状態に陥ることが挙げられます。

急激に糖質の摂取量を減らすと、インスリンの調節が追いつかず、血液中の糖分が減りすぎて一時的に血糖値が低下することがあります。

糖質は、脳の活動のエネルギー源となる栄養素です。

低血糖に陥ると、脳のエネルギー不足により、以下のような症状が出現する場合があります。

  • 頭痛
  • 眠気
  • 倦怠感
  • めまい
  • イライラ
  • 思考力の低下

これらの症状は、極端な糖質制限でない限りは、一時的な変化であることが多いです。

急激に糖質量を減らすことにより生活や仕事に支障が出る可能性を理解しておきましょう。

基礎代謝が落ちるリスクがある

糖質を制限すると、体はエネルギー不足となり、エネルギーを補うためにたんぱく質を分解します。

たんぱく質は、糖質と同じく1gあたり4kcalのエネルギーを生み出すエネルギー酸性栄養素です。

筋肉に多く貯蔵されているたんぱく質が分解されれば、筋肉量自体が減少します。

筋肉が減ることにより、体の代謝機能が低下し、痩せにくい体質になってしまう場合があります。

筋肉の量を落とさないようにするためにも、糖質制限ダイエット中にはたんぱく質の摂取を意識しましょう。

リバウンドしやすい

厳しい糖質制限をしてダイエットに成功した後に、急激に糖質の摂取量を戻すと、リバウンドのリスクが高まります。

糖質制限のあとは、糖質を取り込みやすい体になっています。

急激に糖質の量を元に戻せば、体内に一気に糖質と水分が取り込まれ、体重や体型が戻りやすくなります。

また、厳しい制限をおこなっていると、ストレスが溜まり、ダイエット終了後に過食しやすい傾向にあります。

リバウンドを予防するためにも、目標とする体重・体型に到達し糖質の制限を解除する場合には、体調を考慮しつつ少しずつ糖質を取り入れていくようにしましょう。

健康的に糖質制限を続けるうえでのポイント

健康的に糖質制限を続けるうえでのポイント

糖質制限を健康的に続けるために、意識するとよいポイントを紹介します。

  1. 栄養バランスを意識する
  2. 最初から無理をしすぎない
  3. 適度な運動と組み合わせる

具体的に解説していきます。

1.栄養バランスを意識する

糖質制限をおこなう際にはとくに、普段から食事の栄養バランスを意識しましょう。

糖質を控えるために、食べる食品の種類を減らしたり、食材が偏った状態が続くと、一部の栄養が体に不足するなど、健康を損ねるリスクが上がります。

たとえば、糖質制限中はエネルギーを補うためにたんぱく質も分解されます。

摂取するたんぱく質が不足すると、筋肉量が減り、筋力の低下や基礎代謝の低下につながります。

また、炭水化物には食物繊維が適度に含まれています。

糖質制限をおこない摂取する炭水化物の量が減れば、食物繊維の量も減少します。

食物繊維が不足すると、便秘が起こるリスクが高まります。

糖質制限中には、おかずや間食にたんぱく質や食物繊維をしっかり摂取し、栄養のバランスを崩さないように心がけることが重要です。

栄養バランスの良い食事について知りたい方は、こちらの記事で解説しています。

2.最初から無理をしすぎない

普段から糖質を多く摂取している方が急に糖質量を減らすと、体が対応しきれず、低血糖症状などさまざまな不調が出現する場合があります。

糖質制限を始める際には、無理をして急激に糖質の量を減らさないようにしましょう。

糖質制限を開始すると、はじめの1週間ほどは体重が落ちますが、それは体内の水分量が減るためです。

その時点で通常の食事に戻せばすぐに体重は元に戻ります。

中長期的な目線で無理のない程度の糖質制限から、計画的に進めていくことが大切です。

まずは砂糖の入ったコーヒーやジュースなど甘い飲み物をやめてみる、甘いお菓子やスナック菓子を控えるなど、体調と相談しながら日常生活の中で少しずつ計画的に糖質を減らすように心がけてみてください。

3.適度な運動と組み合わせる

健康的に痩せるためには、適度な運動と組み合わせることも大切です。

ダイエットにおける運動のメリットとは、主に次の3つです。

  • 筋肉を強化する
  • 基礎代謝を高める
  • リバウンドのリスクを減らす

さらに、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は体脂肪の燃焼に効果的です。

糖質制限と合わせて適切な運動をすることにより、効果的に脂肪を減らせます。

ただし、無理な運動は過度に体に負担がかかり、足腰を痛める場合もあるため逆効果となる可能性があります。

ライフスタイルに合った無理のない運動量を心がけましょう。

たとえばエレベーターを使用せずに階段を登ったり、電車を1駅早く降りて普段より長時間歩く時間を作ったり、普段の生活の中で可能な運動をすることから始めてみることをおすすめします。

運動の効果はすぐには出ません。継続する意識が必要です。

食べものの糖質の確認方法は?

糖質制限を始めたばかりの頃は、どのように糖質の量を把握するのか難しく感じる方も多いかもしれません。

そんな場合は、主な食品に含まれる糖質の量をある程度把握しておくと、今現在摂取している糖質の量を把握したり、食品を選びやすくなったりと楽になります。

たとえば、一般的な糖質が多い食品の主な糖質量は以下のとおりです。

  • ごはん(茶碗1杯):約55g
  • 食パン6枚切り1枚:約28g
  • うどん一玉:約45g
  • パスタ80g:約55g
  • バナナ1本:約25g
  • じゃがいも1個:約25g

食材ごとの糖質量を大まかに記憶しておくと、手軽に食材を選びやすくなります。

また、食品の糖質量はパッケージを見れば簡単に確認できます。

市販の食品のパッケージには、栄養成分表の記載があります。

糖質に関する栄養成分表示には、次の2種類があります。

  • 炭水化物
  • 糖質

炭水化物とは、糖質と食物繊維の合計の値のことです。

食品成分表示では、糖質量の記載はでないため、炭水化物の量のみ記載されている場合もよくあります。

糖質量の記載がない場合には、次の計算式で糖質量を計算できます。

炭水化物(g)-食物繊維(g)=糖質量(g)

栄養成分表示に食物繊維量が記載されていない場合は、概算で「炭水化物=糖質」と考えましょう。

まとめ

この記事では、糖質制限によるダイエットの基礎知識、糖質制限のメリットとデメリット、健康的にダイエットをするための意識すべきポイントについてまとめました。

糖質制限とは、摂取する食べ物の糖質量を減らすことにより、体に脂肪を蓄えにくくするダイエット方法です。

空腹に耐えなくて良いため続けやすく、体に脂肪がつきにくくなるなり効果が出るスピードが速いというメリットがある一方、体調に影響が出やすくあったり、基礎代謝の低下やリバウンドのリスクがあるというデメリットもあります。

健康的に糖質制限を続けていくためには、正しい知識をもち、次のようなポイントをおさえて実施することが大切です。

  1. 栄養バランスを意識する
  2. 最初から無理をしすぎない
  3. 適度な運動と組み合わせる

無理のない範囲で糖質制限を取り入れ、健康的なライフスタイルを実現しましょう。

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