英語が苦手な人でも英文ビジネスメールを書けるようになるコツを徹底解説!

海外との連絡では、時差の影響で電話やWeb会議で話すことが難しいため、メールでのコミュニケーションが非常に重要になります。

ですが、急に英語でメールを書こうと思っても、

「宛名はなんとか書けばよいのか、分からない」、「書き出しはどうするべきだろうか。」と悩んでいるうちに、予定よりも時間がかかってしまい、英文メールに苦戦させている方もいるのではないでしょうか。

英語が苦手で英文ビジネスメールの作成に戸惑いがある方でも、簡単に伝わる英文ビジネスメールを書くためのポイントを、基本的な構成に沿って解説します。

役立つサンプル文もついていますので、ぜひご活用ください。

目次

メール作成の基礎!「読みやすい」、「伝わりやすい」メールとは?

今や、ビジネスでのコミュニケーションは99.1%がメールと言われています。

メールを中心とした現代では、メールで相手に意図を伝えることが出来る能力が求められています。

では、どうすれば相手に伝えたいことがメールで伝わるのでしょうか?

ビジネスパーソンが1日に受け取るメールの平均件数は50件を超えています。

では、メールを受信する側が「メールが上手いと感じた特徴」の第一位はなんでしょうか?

それは、「文章が簡潔で分かりやすい」だそうです。

反対にメールを送信する側のメールに対する一番の不安は「正しく伝わるか」だそうです。

仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」(99.1%)

仕事でメールの送受信に利用している主な機器は「パソコン」(99.68%)

1日平均は送信「14.06通」、受信「50.12通」

残業が多いと感じている人ほど受信数が多い

メールを読むのにかかる時間は平均1分19秒。1日66分メールを読んでいる

メールを書くのにかかる時間は平均5分54秒。1日82分57秒メールを書いている

メールに対する一番の不安は「正しく伝わるか」(76.42%)

メールが上手いと感じた特徴の第1位は「文章が簡潔で分かりやすい」(77.18%)

出典: 一般社団法人 日本ビジネスメール協会 / ビジネスメール実態調査2020

これらの統計の統計から、相手に正しく伝えるためには「文章が簡潔で分かりやすい」ことが大変重要です。

タイトルと冒頭部(書き出し)を読めば、受信者が「メールの目的」を簡単に理解できるよう、分かりやすくすることが必要です。

伝わりやすい英文ビジネスメールの鍵は「シンプル」であること

構成を説明する前に、サンプルとして最新カタログを取り寄せる際の英文ビジネスメールをご紹介します。

件名 : Requesting a catalog of your new line of products

Dear Mr. John Smith,

Thank you for your continued support for us at all times.
I am writing this email to seek information about your new products.

We have received inquiries from our customers that spec and price of your products.
The latest catalog needs to be distributed to the relevant people in the division.
Please send the latest catalog to our office by the end of next week.
I am looking forward to hearing from you.

Best regards,
Taro NIPPON

(日本語訳)

スミス様

いつもお世話になっております。
御社の新製品に関する情報を頂きたく、ご連絡いたしました。
弊社のお客様から、御社の製品の価格と性能についての問い合わせを複数頂いています。
関係部署に最新のカタログを配布する必要があります。
来週末までに、最新のカタログを弊社宛に送付頂けないでしょうか。
ご返信をお待ちしております。

日本太郎

このように、英文ビジネスメールは以下の6つの構成で作成されます。

  1. 敬称 / あて名
  2. 挨拶
  3. 冒頭部 / 書き出し
  4. 要件 / 本文
  5. 結びの挨拶
  6. 結語 / 署名

今回は構成ごとに注意したほうが良いポイントや、サンプル文を紹介していきます。

誰でも簡単に書ける!英文ビジネスメールの基本的な構成

敬称 / あて名の書き方

男性の場合にはDear Mr. John Smith, もしくは、Dear Mr. Smith,
女性の場合にはDear Ms. Jane Smith, もしくは、Dear Ms. Smith,

と書くのが一般的ですが、すでに親しい間柄であれば、

Dear John, とファーストネームと書くのもよいでしょう。

ビジネスメールでは、「Mrs.」や「Miss.」は使用しません。未婚、既婚などのプライベートなことに言及することはマナー違反のため、女性に対するメールは「Ms.」で統一しましょう。

日本語では「〇〇様」という形で性別に関係なく、あて名への敬称として使用されていますが、英語では「Mr,Ms,」という性別に関係する敬称を用います

誤った使い方はマナー違反になりますので、注意してください。

その他、あて名がわからない場合や、不特定多数に送信する場合には以下のような表現を使います。

  • 男性の場合:Dear Sir,
  • 女性の場合:Dear Madam,
  • 役職+会社宛:Dear Products Manager, XXX Co., Ltd.
  • 役職も名前もわからない場合:To Whom It May Concern(ご担当者様)
  • 不特定多数の場合:Dear all,(関係各位)

特にTo Whom It May Concernはあて名が分からない状況で、特定の人に送りたい場合に便利なフレーズですので、ぜひ覚えてみてください。

挨拶の書き方

挨拶も、あて名と同様に相手によって内容を変えたほうがスマートです。

また、英語では「桜花爛漫の候、貴社におかれましてはますます輝かしい春をお迎えのことと存じます。」といった、時候の挨拶は使いません

シンプルなほうが好まれる傾向にありますので、まわりくどい挨拶は避けましょう

しかし、短すぎる挨拶は相手にドライな印象を持たれてしまいます。

×悪い例:I received your e-mail. (あなたからのメールを受け取りました)

せめて、次のように感謝の言葉を添えると相手に親しみを持ってもらえるのではないでしょうか。

〇良い例:Thank you for your e-mail. (メール頂き、ありがとうございます)

すでに知っている相手の場合、以下のような表現も使えます。

  • Thank you for your continued support for us at all times.(いつもお世話になってます)
  • Thank you for your e-mail.(メール頂き、ありがとうございます)
  • Thank you for your quick reply.(早々のご返事ありがとうございます)
  • I’m sorry for the late reply.(お返事遅れて申し訳ありません)
  • I hope that you are doing well.(お元気でしょうか?)
  • I haven’t seen you for a long time.(ご無沙汰しております)

Thank you for ~(~してくれて、ありがとう)というフレーズは、結びの挨拶でも活躍できる、とても便利なフレーズです。

同時に、I’m sorry for ~(~は申し訳ありません)というフレーズも、お詫びをするときによく使いますので、一緒に覚えておくと便利です。

初めての方にメールを送る場合には、通常の挨拶だけだと相手に失礼な場合があります。

まずは、突然の連絡であることを相手に告げたうえで、自己紹介をしたほうがよいでしょう。

I hope that you do not mind me getting in touch with you suddenly, My name is Taro NIppon of the sales division at XXX Co., Ltd.

(突然のご連絡、失礼いたします。私、株式会社XXX 営業部所属の日本太郎と申します。)

このように、挨拶といっても、相手や今までの関係性、直前までの状況によって選ぶべきフレーズが異なりますが、

自分なりのパターンを作ることで、深く考えることなく、メールを作成することが可能です。

冒頭部 / 書き出しの書き方

書き出しでは、あなたが「なぜ、このメールを送っているのか」ということをシンプルに伝えることが重要です。

人によっては、件名(タイトル)の冒頭部だけを読んで、メールを読むのを後回しにしたり、読まないと決めてしまう人もいます。

相手にシンプルに伝えるために便利なフレーズを、ここからはご紹介します。

メールで何かをお知らせする際、伝えたい場合に便利なフレーズです。

  • I am writing to inform ~
  • This e-mail is to inform you that ~
  • I would like to inform you that ~
  • Please be informed that ~

使用例:This email is to inform you that detail of global sales meeting in May 25th.

(このメールは5月25日に行われるグローバルセールス会議の詳細をお知らせするものです)

他にも、何か確認したいとき、お願いしたいときに使うフレーズもあります。

  • I am writing to you regarding ~(~についてメールしています)
  • I am writing to confirm ~(~を確認させて頂きたく)
  • I would like to confirm you that ~(~を確認させて頂きたく)
  • It would be great if ~(~して頂けますと幸いです)
  • I would like to ask you to ~(~をお願いできないでしょうか)
  • Please find attached file ~(~についての添付ファイルをご参照ください)

使用例:I would like to ask you to arrange my hotel  for attending global sales meeting.

(グローバルセールス会議に参加するため、滞在するホテルの手配をお願いできないでしょうか)

ちなみに、海外との取引が多いと、時差の関係で寝ている間も含め、24時間途切れることなく次々とメールが入ってきます。

著者は数年前まで、1日のメール受信数が200通(多い日は500通以上)を下回ることがない生活を送っていました。

メール1通を1分で読んだとしても、3時間以上かかりますので、すべてのメールをきちんと読むことはできません。

著者の例は極端かもしれませんが、メールを多く受信している人は自分が返信すべき内容か、読み込むべき内容かを判断するために書き出しだけは読む人が多いです。

それだけ、冒頭部の書き出しは重要な部分となりますので、シンプルに相手に伝えることを心掛けて、1~2文で収まるように作成するように工夫してみてください。

要件 / 本文を書く際に意識すべきポイント

要件 / 本文で初めて、相手に伝えたいことの詳細を書きます。

本文は比較的長く、複数の文章を書くことが多いと思います。

ここでは、英文を書く際のポイントをご紹介したいと思います。

必ず結論から書く

日本語でのメールでは、「OOOOが起きたので、XXXXしてほしい。」、「OOOOするためにはXXXXが必要だ。」というように、まずは事情を説明して、後から結論を書くことが多いと思います。

ですが、英語では結論から書いて、事情(補足)を説明します。

使用例:I would like to ask you to arrange my hotel  for attending global sales meeting.
(グローバルセールス会議に参加するため、滞在するホテルの手配をお願いできないでしょうか)

先ほどご紹介した、書き出しのサンプル文の一つですが、英語では「arrange my hotel(滞在するホテルの手配)」が先に書かれています。

そして、「for attending global sales meeting(グローバルセールス会議に参加するために)」が後に書かれています。

このように、日本語とは文章の構成順序が逆になっていることが多いので注意してください。

例:Could you expedite the shipment? Because our sales division wants to know the spec and price asap.

(発送を早めて頂けませんか? 弊社の営業部が価格と性能を早く知りたいそうです)

最初に結論を簡潔に書き、補足説明はあとから書くように心掛けてみてください。

依頼する際に「Please」と書けば丁寧とは限らない

Pleaseという単語はとても便利で、使う機会が多いのではないかと思います。

しかし、使い方を間違えると「依頼(お願い)」をしたつもりが、命令に近い文章として受け取られることがあります。

×悪い例:Please discount it.

〇良い例:Please try to consider to discount it.

二つの文の違いですが、悪い例は日本語訳すると「値引きしてくれない?」という感じで、ちょっと愛想がない感じです。

受信者から見て、送信者が上司であったり、重要な取引先であれば、ほぼ命令のように受け取られることでしょう。

では、良い例の日本語訳はというと、「値引きできないか検討してみてくれない?」という感じです。

Try to ~ は「試してみて」という意味があり、とりあえずやってみてほしいときに便利なフレーズです。

Consider to ~ は「検討する」という意味なので、直訳すると「値引きできるか検討するように試してみてくれる?」となります。

こちらは「出来ればで良いので協力してほしい」という、本当の意味での依頼(お願い)として伝わります。

このようにPleaseは日本語では「~してください」ですが、Pleaseのみに頼りすぎると相手に良くない印象を抱かれることがあるので注意してください。

結びの挨拶の書き方

日本語のメールでも、最後に「よろしくお願いいたします」や、「お取り計らいの程、よろしくお願いいたします」という一文を書くかと思いますが、英語でも同じように最後の一文を記載します。

結びの挨拶はメール本文の内容によって異なりますが、ここでは便利なフレーズをいくつかご紹介します。

  • Thank you for your cooperation in advance.(ご協力をよろしくお願いいたします)
  • Thank you in advance.(よろしくお願いいたします)
  • I look forward to your reply.(返信をお待ちしております)
  • If you need any further information, please do not hesitate to contact me.(さらに必要な情報があれば、お気軽にお問い合わせください)
  • If you have any questions, please feel free to contact me.(ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください)

相手に心地よくアクションを起こしてもらうために、必ず1文を入れるようにするとよいと思います。

結語 / 署名の書き方

締めくくりに、署名欄の自分の名前の前に「結語」を入れるのが一般的です。

パターンはいくつかしかないので、お好きなものを選んで使用すると英文ビジネスメールらしさが表現できます。

  • Best regards,
  • Sincerely,
  • Sincerely yours,
  • Best wishes,

使用例(署名作成例):

Best regards,(結語)
Taro NIPPON(氏名)
Sales Division(部署名)
XXX Co., Ltd.(会社名)

著者が見てきた中では、「Best regards,」と「Sincerely,」が多かったと思いますが、どれが正解ということはないので、使いやすいものを使って頂ければよいと思います。

まとめ

今回は英文ビジネスメールの6つの基本的な構成に沿って、簡単に英文ビジネスメールを作成するためのポイントを解説しました。

  1. 敬称 / あて名
  2. 挨拶
  3. 冒頭部 / 書き出し
  4. 要件 / 本文
  5. 結びの挨拶
  6. 結語 / 署名

実際にメールを書く際には、「挨拶」と「冒頭部 / 書き出し」、「結びの挨拶」はほぼパターン化されており、

自分の使い勝手の良いフレーズを覚えることで、作成時間を短縮できます。

パターン化してシンプルに、伝わりやすい文章作成を心掛けることで、「要件 / 本文」の作成時間を確保し、クオリティの高い英文ビジネスメールを作成することが出来るようになりますので、ぜひ活用してみてください。

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